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“3年で4割離職”を防ぐ 高卒社員の定着率を高める『オンボーディング』

Contents
  1. 01 1|「3年で4割」の現実。なぜ高卒社員が辞めてしまうのか?
    1. 【離職の最大理由は「ミスマッチ」】
    2. 【男女で異なる退職理由】
  2. 02 2|解決のカギは「オンボーディング」
    1. 【オンボーディングの実践3ステップ】
  3. 03 3|【実例】定着率を改善したA社の小さな工夫
  4. 04 4|採用を成功させる最後のピースは「定着支援」にある
  5. 05 さいごに

人手不足が加速する中、「高卒人材」は企業の未来を支える重要な戦力
しかし、実際には「採用したのに、すぐ辞めてしまう…」という声も少なくありません。

本記事では、離職のリアルな原因を紐解きながら、
定着率を大きく変える“オンボーディング”の具体策を、データと事例で解説します。


1|3年で4割」の現実。なぜ高卒社員が辞めてしまうのか?


厚生労働省のデータによると、高卒社員の約4割が3年以内に離職。
さらにそのうち約4割が“たった1年”で退職しています。

出典:厚生労働省「新規学卒者の離職状況(令和4年3月卒業者)」

つまり最初の1年が定着の分かれ目となります。

【離職の最大理由は「ミスマッチ」】

彼らが辞める最大理由は「仕事が合わない(32.4%)」というミスマッチ。
とくに高卒社員は、入社前のイメージと現場のギャップに悩みやすい傾向があります。

出典:厚生労働省 東京労働局「学卒就職者の離職状況調査結果(令和5年3月中学・高等学校卒業者)」

【男女で異なる退職理由】

離職のきっかけは、男女でも違いがあります。

男性

1位:労働時間、休日等の労働条件が悪かった・・・・・・28.4%
2位:職場の人間関係が好ましくなかった・・・・・・・・23.0%
3位:その他の個人的理由・・・・・・・・・・・・・・・19.4%

女性

1位:人間関係が好ましくなかった・・・・・・・・・・・22.9%
2位:その他の個人的理由・・・・・・・・・・・・・・・22.1%
3位:その他の理由(出向等を含む)・・・・・・・・・・9.7%

出典:厚生労働省 東京労働局「学卒就職者の離職状況調査結果(令和5年3月中学・高等学校卒業者)」

男性は「労働条件」、女性は「人間関係・健康面」が離職のきっかけになりやすく、性別ごとの傾向も無視できないポイントです。


解決のカギは「オンボーディング」


“入社直後のギャップ”を埋め、離職を防ぐ方法として近年注目されているのが「オンボーディング」です。新人研修やOJTとは何が違うのでしょうか。
◆新人研修・OJT:業務のやり方を教える
◆オンボーディング:業務指導だけでなく、人間関係や職場への適応まで支援する“定着のための仕組み”

【オンボーディングの実践3ステップ】

STEP 1:入社前~入社直後(リアリティ・ショックの緩和)

最大の離職理由「ミスマッチ」を防ぐ期間

・悪い情報も隠さない
「うちは夏場、工場がすごく暑くなる」「立ち仕事だから最初は足が痛くなる」など、ネガティブな情報もありのままを伝える

・心理的ハードルを下げる                    
「最初はできなくて当たり前」「失敗してもフォローする」と明言し、安心感を与える

STEP 2:入社1ヶ月(関係性の構築)

女性の離職理由にも多い「人間関係」の悩みを解消する期間

・メンター制度の導入
上司(OJT担当)とは別に、年齢の近い先輩を相談役(メンター)に配置

・名前で呼ぶ文化を徹底
「新人」ではなく、名前で呼ぶこと。これだけで「組織に受け入れられている」という感覚が強まる

STEP 3:入社3ヶ月(“成長実感”の付与)

仕事に慣れ始めると同時に、「このままでいいのか」という不安が生まれる時期
(特にこの時期、男性は条件面・将来への不安を感じやすい)

・短期的な目標設定
 “できるようになったこと”を小さく区切り、見える形で確認できるようにすること

・キャリアの提示
「3年後はこの資格が取れる」「5年後はリーダーになれる」という具体的なロードマップを示し、今の苦労が将来につながっていることを伝える


【実例】定着率を改善したA社の小さな工夫


■製造業/従業員数49名
【現状の課題】
高度な技能が求められる現場で、OJTは行っているものの若手社員が成長を実感できず、将来に不安を抱えていた

⬇︎

【取り組み】

  1. キャリア面談の実施
    キャリアコンサルタントによる面談で課題や助言を実施し、目標設定を支援
  2. キャリアパスの見える化
    人事担当を対象に業務の棚卸を行い、入社1年目で必要なスキルや成長基準を明確化

⬇︎

【効果】

  • 若手社員の不安が可視化され、経営層と共有されるとともに、将来志向が強まった
  • 成長基準の見える化により現状と将来を把握でき、成長意欲の向上につながった

出典:厚生労働省「令和5年度若手人材の早期離職防止事例」

👉結果として、若手の視点が“今”から“将来”へ変化し、「成長が見えない不安」の解消につながった


採用を成功させる最後のピースは「定着支援」にある


高卒社員の早期離職は「能力不足」ではなく、“孤独”と“ミスマッチ”によるものがほとんど。
採用はゴールではなく、戦力として定着して初めて“採用成功”と言えます。

特に、入社後1年間は“クリティカル・ピリオド(極めて重要な期間)”。
教育コストよりもまず、「関係構築コスト」をかけてみてください。

その投資は、将来の会社を支える強固な労働力として必ず返ってくるはずです。


さいごに


入社前に “職場のリアル”を伝えることが、採用成功と定着のカギ。
―――その課題を、高校生就職ガイドブック「ハピワク」が解決します。

【高校生就職ガイドブック「ハピワク」の特長】
① 高校生に“直接届く”
将来の進路を意識し始める県内すべての高校2年生に無料配布。『学校で読む』『家庭で読む』という導線で、生徒・保護者・先生の三者へ自然に情報が届きます。

② “リアル”を伝え、ミスマッチ防止!
ライター&カメラマンが取材・撮影し、職場の雰囲気や仕事の魅力を丁寧に表現。事前に「職場のリアル」を知ってもらうことで、入社後のギャップを軽減し、定着率向上にも効果的です。

採用は「入社」で終わりではなく、「定着」してこそ成功です。
まずは、自社のオンボーディングを見直してみませんか?


【出典・参考データ】
本記事内の数値は、主に以下の公的データを参照しています<参照日:2025年12月11日>